日経平均株価は1,284ポイント下落して取引を終えた

11月5日、東京株式市場の日経平均株価は大幅続落し、前営業日比1,284ポイント(2.5%)安の50,212ポイントで取引を終え、10月24日以来の安値を更新しました。取引時間中には2,400ポイント以上下落し、49,073ポイントの安値を付けました。空売り筋がNVIDIAなどの米国株に賭けているという報道が表面化し、利益確定売りが先行したことを受け、AI(人工知能)関連株や半導体関連株の過熱感を警戒する動きが強まりました。東京市場では、ソフトバンクグループ(SBG)やアドバンテストなど、これまで上昇を牽引してきた銘柄が急落しました。短期的な調整局面が迫っているとの見方が市場心理に大きく広がりました。

11月4日の米国株式市場では、ビッグデータ分析プラットフォームを提供するパランティア・テクノロジーズの株価が8%近く下落し、これが日米のAI・半導体関連銘柄の売りの引き金となったとみられています。

パランティアの決算報告では、AIデータ分析への需要に支えられ、業績が市場予想を上回ったことが示されました。しかし、「世紀の空売り屋」として知られるマイケル・バリー氏が所有する投資会社が、パランティアの株価下落に対するプットオプション(満期は2025年7~9月)を保有していたことが明らかになりました。この動きはヘッジ目的もあったものの、市場はこれを弱気シグナルと捉えました。同じ投資会社はNVIDIAのプットオプションも保有しており、NVIDIAの株価は4%近く下落しました。

また、11月4日には、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった大手金融機関の幹部も株価調整の可能性に言及したと複数のメディアが報じました。強気だった投資家心理は急速に慎重化し、特にAI関連株や半導体関連株で売り圧力が強まった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は2%下落し、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は4%下落した。

空売り筋の存在も東京市場に影響を与えた。ソフトバンクグループは取引開始直後から強い売り圧力にさらされ、寄り付き後には下落率が最大14%にまで拡大した。アドバンテストも最大10%下落した。この2銘柄だけで日経平均株価は約850ポイント下落した。AIデータセンター技術関連で株価が今年3倍以上に上昇した日本の電線メーカー、フジクラも、取引中に株価が最大10%急落した。

米国株だけでなく、日本株も過熱懸念に直面している。ソフトバンクグループなどAI・半導体関連銘柄の上昇に牽引され、NTレシオ(日経平均株価をTOPIXで割ったもの)は10月31日に過去最高の15.73を記録しました。株価過熱の指標である日経平均RSI(相対力指数)も11月4日時点で73%を超え、「買われすぎ」の警戒ラインである70%を上回りました。

ゴールドマン・サックスのブルース・カーク氏をはじめとするアナリストは、11月2日のレポートで、NTレシオとRSIがともに高水準にあると指摘しつつも、「市場は短期的な調整局面に入っている可能性があり、短期的な調整局面に入っても不思議ではない」と示唆しました。日経平均株価は11月4日に一時前週の高値を更新したものの、終値は914ポイント下落しました。5日は米国株安に引きずられ、売り圧力がさらに強まりました。 TOPIXグロースマーケット250指数は取引時間中、一時3%以上下落した。