シンガポールのリー・シェンロン上級相は、米国を指して、現状の世界経済にとって最善の枠組みは「一時的にマイナス1」の世界だと述べた。
「米国は、国際貿易について、より狭義の二国間取引的な視点を持つことを決定した。他の国々は依然として世界貿易機関(WTO)の枠組みを維持している」と、リー上級相は先日開催されたシンガポール経済協会第69回年次晩餐会で述べた。
「枠組みはほぼ維持されている」と述べ、米国はルールが変わることを望んでおり、変更しようとしていると付け加えた。米国は依然として世界貿易に関与する必要があるものの、多国間システムへの復帰は可能かどうかは不明だと指摘した。
リー氏は、ASEANのような地域内、あるいはより広域な地域(RCEP)内、あるいは環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP)のようなより広範な補完的な経済圏において、志を同じくするパートナーと友好関係を築くことができると述べた。
志を同じくするパートナーは、合意形成の行き詰まりに陥ることなくWTOを機能させるために協力することもできると付け加えた。
「世界有数の経済大国が根本的に異なるアプローチを取り、WTOから脱退するだけでなく、WTO体制への反対を表明すれば、それは大きな波紋を呼び、最終的な状況がどのように変化するかを見守る必要がある」とリー氏は述べた。